アメリカ(米国)
個人所得税・2021年想定Q&A
アフォーダブル介護法(通称オバマケア)によるメディケア税は2018年以降は撤廃された
健康保険でオバマケアと云うのがあると聞いたんですが、税金とどういう関係があるのでしょう
か?
オバマケアObamacareの
ことを聞き及んでられるんですね。これは俗な 呼び方であって、アフォーダブル介護法Affordable
Care Act (ACA法)が正
しい呼び方です。これに関連する 税金やペナルティーについて、念のためご説明したいと思います。
国民皆保険を目指すアフォーダブル介護法の財源を補填するため、二つの追加連邦税がメディケア
税として、 2013年から2017年にかけて課されていました。ひとつは、一定額を超過した勤労所得・自営業所得に対して課
される追加税で、もう一つは、変更調整後総所得(Modified Adjusted Gross
Income, MAGI) が一定額を超過す
ると、投資所得に対して課される追加税でした。2017年の税
法改定によりこの二つの追加税は2018年から撤廃されていま
す。
今ご説明したふたつのメディケア税に加え、2014年から「連帯の責任」 (Shared Responsibility
Provision)と呼ばれるペナルティー徴収が2018 年まで実施されていましたが、2017
年の税法改定により2019年以降は撤廃されています。
このペナルティーはACA法が国民皆保険加入を建前としていることから、納税者あるいはその被扶養者が最低限の健康保険
でカバーされていない 場合、年間に3ヶ月以上連続して最低限の健
康保険ですら未保険であ
れば未保険の月数に応じて連帯責任支払い額を申告書の上でその他の追加税として計上させられました。但し、所得が少
な いため健康保険に参加できない、などの場合はこのペナルティーは免除でした。
説明しました3つ
の項目は2019年以降の税務申告には影響を与えません。しかし、
連邦政府あるいは州政府が運営する健康保険マーケットプレイス(Health Insurance
Marketplaceまたは Exchange)へ
の参加者については、その保険代支払いを軽減するために保険代税クレジット(Premium
Tax Credit)が適用された場合、税務申告の際にそのクレジット金額が適正で
あったか
を計算し、過大にクレジットを貰い過ぎていたら、その差額を税務申告書の上で不足税として計上し、逆にクレジットが
少なかったらその差額をクレジットとして計上することが必要になります。この調整は必要なので、2018年以降も撤廃されず継続されています。
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