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パートI:外国人に対する米国での課税 パートII:税務申告書の仕組み
アメリカ(米国) 個人所得税・
2020年度想定Q&A



代替ミニマム税(AMT)は対象となる納税者の人数が減少している


 表3を見ますと、代替ミニマム税(AMT)、とありますが、これは何を意味するのでしょうか?

 鋭い所をついてこられましたね。これはつまり、通 常に計算した税金(もし該当すれば)代替ミニマム税AMT)を加算した合計額が最終的な確定税額になるとということです。税務申告書ではそのように表示さ れていますが、実際は「普通に計算した税金」と「代替ミニマム税」の内、どちらか多額の方が最終的確定税額になる仕 組みになっています。

AMTは、富裕層が税回避などで殆んどか全く税を支払わないのを阻止するため、1969年 に開始された税です。AMT課税所得ですが、次のように計算されま す:通常の課税所得(3で算出)プラス通常計算における優遇項目の 調整マイナスAMT繰越し損失などマイナスAMT控除(即ち、AMTにおける標準控除)

そして、そのAMT課税所得に対して、26%だけか26%及 び28%の両方の税率を掛けることにより、AMT税額が決まります。2020年についてはAMT課税所得の内197,900ドル(夫婦個別申告者は98,950ドル以下)までは26% AMT税率が適用され、超過した金額には28%AMT税率が適用され、その合計金額がAMT税と なります。


 何だかAMTもややこしそうですね。

 おっしゃる通りです。計算は該当する場合に申告書 に添付するForm 6251 "Alternative Minimum Tax-Individuals" に 表示されますが、つまる所は、「通常の税計算」とこの「AMT税計 算」の2本立てになっていて、どちらか多額の方を支払わされる仕組 みになっています。私に言わせてもら えば、2017年までは連邦 政府による巨大なイカサマと化していました。

 イカサマとは、聞き捨てならないお言葉ですね。

 下世話な言葉で表現してしまいましたが、1970 年にはたったの2万件の税務申告に対してのみAMT税 が課されただけだったのに、2006年には350万件、2012年には450万件、2017年には510万件、とAMT税が課される申告が急激に増加 し多大な数の中産階級の納税者を直撃していました。

何故かと言いますと、過去に通常の所得税の累進税率対象金額が減税措置により下がったものの、 これは通常の税についてだけの減税措置であり、AMTに関わるAMT税率やAMT調整項目、AMT控除には殆んど変更がないままだったのです。そのため通常の税の実効税率が26%に近い中産階級の納税者がAMT税に引っかかってしまう状況が続 いていました。

 それで今はどうなっているんでしょうか?

 2017年の税法改定により、個人のAMT税は撤廃されることはなく2018年以降も継続されています。しかし、AMT免除額(AMT Exemption、一律控除額)が大きく増加されたので、AMT税の対象とな る件数は大幅に減少し、2019年の税務申告では20万件と激減しました。


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