アメリカ(米国)
個人所得税・
2021年想定Q&A
人的控除は2018年から撤廃された
2017年
までは、納税者、配偶者、扶養家族に対して人的控除(2017年
は一人当たり4,050ドル)が
与えられていたのですが、税法改定により人的控除はこれまた バッサリと撤廃されてしまいました。
しかし、人的控除がなくなった代わりに、扶養家族として子供が居るなどの場合は、子供税額クレ
ジットなどを計上できます。また、その他の扶養家族クレジットに該当する場合もあります。それ故、人的控除はなく
なったものの、子供税額クレジットあるいはその他の扶養家族クレジットに該当する場合は、税務申告書1040の最初頁の真ん中部分にあるDependentsの箇所に扶養
家族の名前、ソーシャル・セキュリティー番号(SS番号)、続き柄、などを記載する必要があります。
SS番号あるいは
ITIN番号を持たない配偶者、扶養家族の納税者番号取得については、2003年12月17日にIRSの手続きが変更し、ITIN番号申請書W-7を、税務申告書(配偶
者、扶養家族の名前は記入し、番号は無記入)の上に添付(各人にW-7を1枚づつ)し、IRSに送付すると、申告書の処理と
番号の付与の両方をしてくれることになりました。但し、ITINの違法取得による詐欺の問題があり、ITIN取得が2012
年から困難になっています。
それから、例えばある年の1月に米国へ異動した家族の場合、その年の税務申告書提出は早くても翌年1月になりますから、番号申請は1年近くも
待つことになってしまいます。Lビザの配偶者については、労働
許可が得られるようになりましたので、その配偶者は労働許可を得てから、社会保障局(Social
Security Administration)の事務所に出向き、ITIN番号とは違い個人証明の番号でもあるSS番
号を取得するのが得策かも知れません。
さあ、これでやっと「課税所得」にたどり着きましたね。
ちょっと待って下さい。課税所得に至るには、もう一つ「適格ビジネス所得控除 Qualified Business Income Deduction」の項目があります。これは自営業者の自営業純所得(自
営業収入から自営業経費を差し引いた金額)、パートナーシップの
パートナーが受取る配分所得やS法
人のメンバーが受取る配分所得について、その最大20%までを調整後総所得AGIから控除できるもの
です。これは2017年税法改定で法人税が軽減されたことに伴い、
法人という形ではなくてビジネスに従事している納税者にも税軽減の恩恵をもたらすために設けられた控除措置です。控
除可能額の計算は結構複雑です。
それから、我々会計士、弁護士、医者、コンサルタント、金融アドバイザー、など「評判reputation」あるいは「専門的技術skills」が
中心的資産である特定サービス業務Specified
Service Trade or Business(SSTB)に従事している
場合(パートナーシップやS法
人がそういった業務である場合も含め)、課税所得が夫婦合算申
告者で$10万、それ以外の申告者で$5万を超過すると控除に制限は受け始め、夫婦合算申告者で$429,800、夫婦個別申告者で$214,925、そ
れ以外の申告者で$214,900に達すると控除が全く取れな
くなりま す。
なるほど、了解です。私は給与所得を受取っているだけで、個人での副業をしていないのでそのビジ
ネス所得控除は該当しないと理解します。これで「課税所得」にたどり着きますね。
そのご理解の通りです。課税所得に至ったら、後は税額表あるいは税率表を見て税額を定め、もし外
国税額控除も取れればそれを差引いた税額と、既にW-2などに記載されている源泉徴収済み税額と
を比較して、その差が税還付・税支払いとなります。
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