アメリカ(米国)
個人所得税・
2021年想定Q&A
個別控除の要素
個別控除に
ついてもう少し詳しく説明して下さい。
個別控除ができる項目として「医療費」、「諸
税」、「支払い利息」、「寄付金」、「災害・盗難損失」、「ビジネス経費・雑控除」、「その他」、などがあります。しかし、
実際には使うことができない有名無実のものが結構多いです。2017年までは従業員としての自己負担の「ビジネス経費」(接
待費、交通費、授業料、など)及び「雑控除」(申告書作成費用、投資費用、セーフデポジット・ボックス使用料、など)も控除できる項目でしたが、税法改定によりバッサリと撤廃されていますし、諸税に含まれる
州市所得税や不動産税も合計額が$1万までしか控除できなくな
り、特に物価が高い州市に居住している納税者に甚大な不利益を与えています。
医療費はどんなものを含むのでしょうか?
本人(夫婦合算申告の場合は配偶者も)及び扶養家
族の入院費用、診察料、治療費、歯科治療費、薬代、入院交通費、眼鏡、などで保険が効かなかった自己負担分の内、AGIの
7.5%を超過する部分のみが控除対象となります。この7.5%という高い障壁があるため、余程の自己負担出費があるか、所
得が比較的少なかった年だけに節税に役立つことになります。
諸税のご説明の中に、州市所得税がありました
が、セールス・タックスは控除できないのでしょうか?
2013年以降は支払いセールス・タックスつまり
売上税を控除することができますが、州市所得税とセールス・タックスのどちらかを選択しなければなりませんので、多い方を
選択することになります。
しかし、セールスタックスを選んだとしても、前にご説明したように、不動産税(別荘などセカンドハ
ウスの分も可)、動産税、との合計額 がそのまま控除できる訳ではなく、税法改定により$1万(夫婦個別申告書は$5千)の上限が設けられています。日本での所得
も申告している場合、その所得に対して日本で支払った所得税もその他の税Other taxesとして控除対象となりますが、その場合は合計額上限の対象には
なりません。しかし、直接に税を減額できる「外国税額控除」の方が有利な場合、ここでは使わない方が得策です。
利息なんですが、クレジットカードの支払いが遅れ
たための利息や、車購入ローンのために支払った利息は認められますか?
現在は一般の消費者ローンに対する利息は控除が許
されていないので、両方とも残念ながら控除の対象となりません。しかし、住宅ローンの支払い利息だけはセカンドハウスを含め
二軒まで控除対象となります。
但し、住宅を担保としたローンであることが条件になります。新規住宅購入、2軒目住宅購入に伴う支払い利息の控除につい
ては、税法改定により、その元となる借入金(2軒目も含めた)合計残高上限が2017年までの$1百万(夫婦個別申告書 は$50万)から2018年以降は$75万(夫婦個別申告書は$37万5千)に削減されました。しかし、2017年12月 15日
までに契約あるいはリファイナンスした借入金については、$1百万(夫婦個別申告書は$50万)に対応する利息を控除することができ ます。
値上がりしている住宅を担保として別途借りたホー
ムエクィティーローンへの支払い利息は、2017年までは元金10万ドルを上限(夫婦個別申告者の場合、5万
ドル)とした部分に対応する利息金額を「資金の使用目的に関わらず」控除することができましたが、税法改定によ り2018年以降2025年迄は撤廃されています。但し、住宅の購入、建築あ
るいは改装に資金が使われるのであれば、住宅を担保としたローンに含めることができ、その支払い利息を控
除対象に含めることができます。また2017年12月15日以前までのホームエクィティー
ローンについては10万ドルを上限としてその支払い利息も控除
対象に含めることができます。
住宅購入時に支払ったポイント、オリジネーションフィー(利息の前払い)は、支払った年に全額が控除対象となりますが、ロー
ンの切替えで支払ったポイントについては、新規ローンの年数で割って毎年少しづつ控除対象にします。
証券会社に置いたマージン勘定、あるいは投資のための借入金による支払い利息も、投資損益をネット
した投資所得の金額を上限として控除対象 になります。
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