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パート I:外国人に対する米国での課税 パートII:税務申告書の仕組み

アメリカ(米国)での毎年の恒例行事ともいえる個人所得税の申告ですが、本来の申告期限日である4 月15日が間近に迫ってきました。しかし、連邦税申告については期限日が5月17日まで自動延長されることになりました。(この延長にはペナルティー、利息は課されませんが、州税申告書の提出期限は連邦と連動して延長される訳ではないので、要注意です。)

2020年に始まった新型コロナウィルス感染による国民の経済的困難を救 済するため、2018年あるいは2019年の連邦税申告を元に前払いの税金クレジット(Advance refunds of the 2020 refundable tax credit)が一人当たり最大$1,200支給されましたが、2018年あるいは2019年の基準では支 給されなかった場合でも、2020年の基準では支給されることなる場合もありますので、支給を受けなかった 納税者にとっては2020年の連邦税務申告は大事となります。

申告書の作成・提出にあたって皆様にその大筋を理解して頂こうと、以下、 日本人駐在員Q氏と会計士A氏の問での想定質疑応答の形式で説明を用意しました。


アメリカ(米国)個人所得税・2020年度想定Q&A
(パート1:外国人に対する米国での課税)

税金申告の義務

 私は去年の初めに赴任した駐在員です。アメリカでは個人が税金の申告をしなければならないと聞いていますが、本当ですか?

 たいていの場合、本当です。

日本では殆んどのサラリーマンは、会社が行なう給与源泉税の「年末調整」で個人所得の税金 は確定されるので、一般的にその個人から申告書を提出する必要はありません。

米国ではこういった「年末調整」に該当するものがなく、その年に余程所得が少なかった人を 除いて、ほとんどの場合連邦政府・州市政府に対して個人所得税申告書の提出が義務づけられています。

逆に、提出義務がなくても少額の所得だった人はむしろ払い過ぎの税を還付してもらうため提出すべき場合があります。

米国居住者・非居住者の判定と相違

 そうすると、私も恐らく申告書を提出しなければなりませんが、個人の所得税はどう課されるのでしょうか?

 外国人に関わる 米国での所得税(Individual Income Tax)の課され方を理解するためには、まず自分が米国「居住者」(resident individual)になるのか、「非居住者」(nonresident individual)になるのかの判断がとても重要になります。

混乱を避けるため、州・市税(state and local taxes)の話は後回しにして、しばらくは連邦税(Federal Income Tax)に絞ってお話ししましょう。

米国市民(U.S. citizen)あるいは連邦税法上の米国「居住者」(U.S. resident)は、その「全世界所得」(worldwide income)に対して税が課されるのに対し、米国「非居住者」は「米国を源泉」とする所得(income sourced in the U.S.)、つまり米国で稼いだ所得に対してのみ税が課される、という大きな違いがあります。

ですから、この「居住者」か「非居住者」かという身分の相違は、米国の税務上大変に重要です。

「居住者」「非居住者」のどちらになるかが分かれば、それぞれで報告が義務づけられた所得を申告し、所得調整、経費控除を施した上で税額を計算し、既に支払われている税額(典型的には給与支給の度に天引きされた給与源泉税)とを比較して、不足していれば税の支払い、超過していれば税の戻りとなります。

 居住者、非居住者では扱いが違うことは分かりましたが、私のように赴任した者はどうなりますか?

 フローチャート (表1)を用意しましたので、これを見ながら話を聞いて頂くと分かりやすいと思います。

連邦税の上で、外国人が居住者、非居住者であるかについては、いわゆる「長期滞在テスト」 (Substantial Presence Test)を適用して判断します。 このテストでは、まず最初に当年度に米国永住権所有者(U.S. permanent resident)、つまり「グリーンカード保有者」(green card holder)であれば、その個人は「自動的に米国居住者」であるとしています。

次に永住権所有者ではない外国人については、当年度の米国滞在が30日以下であればその人は当年度を通して「米国非居住者」であるとしています。

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