星野会計事務所
税務ニュースレター
No. 20-2  April 8, 2020

コロナウィルス蔓延による経済的困難から救済する目的であるCARE法(Coronavirus Aid, Relief and Economic Security Act) が米国議会を通過し、3月27日にトランプ大統領が署名したことにより、米国の個人(納税者)・配偶者に対し基本的に一人当たり最大$1,200(及び扶養児童一人当たり最大$500)の税クレジット還付金が早急に給付されることになった

骨子は以下の通り:

o 2020年の前払い税金クレジット(advance refunds of the 2020 refundable tax credit;経済的衝撃への支払いeconomic impact payment、前払い還付金advance refund、CARE法リベートCRE Act rebate或いは 景気刺激支払いstimulus paymentとも呼ばれる) を支給するのであるが、個人に一番迅速に支給するには、内国歳入庁Internal Revenue Service (IRS)を経由するのが最も適していることから、CARE法が立法化されたのに伴い、個人に対する復興リベート・クレジットRecovery Rebate Creditの条項が内国歳入法Internal Revenue Codeに追加された。3月30日付けのIRS発表の通達によれば、同日から3週間以内には給付を開始するとしている。また、支払いは2020年末まで実施されるとしている。

o この税金クレジットを受取る適格個人であるためには、(1)米国非居住者ではないこと、(2)他の納税者の扶養家族ではないこと、(3)エステート、トラスト、ではないこと、が条件となっている。また、クレジットの対象となる個人(納税者、その配偶者、扶養の児童)がソーシャルセキュリティー番号を保有していることも条件となっている。また、扶養の児童は17歳未満(恐らく2020年末の時点)であることが条件である。

o この税金クレジットは2020年に属するものであるが、至急の支払いをするため、2019年の連邦税務申告書をベースにして支払われる。2019年の連邦税務申告書がまだ提出されていない場合は、2018年の連邦税務申告書がベースとなる。2019年あるいは2018年の提出された連邦税務申告書にある情報を元にして、内国歳入庁IRSでは適格であるか否か、該当する金額、適格となる児童を確認することになる。

o それ故、2018年あるいは2019年の連邦税務申告が既になされている場合は、IRSに情報があるので、この税金クレジットを受給するために何かをする必要はない。連邦税務申告において、自己の銀行口座を報告している場合はその口座にIRSから直接に税金クレジットが振り込まれることになる。銀行口座を報告していない場合は、申告書にある住所にペーパーの小切手が(恐らく6-8週間の内に)郵送されてくることになる。

o 2018年あるいは2019年の連邦税務申告をする必要がなかったが、ソーシャルセキュリティー年金を既に受け取っている場合は、IRSがソーシャルセキュリティー当局から受取っているForm SSA-1099あるいはRRB-1099にある記録を元に適格であるか否か、金額はいくらになるかをIRSが確認し、ペーパーの小切手を送付、あるいは年金の受取りとして指定してある銀行口座に税金クレジットが振り込まれる。この場合は扶養児童の情報が抜けているので、その分の追加税金クレジットは含まれないことになるが、2020年の税務申告で調整することが出来る筈である。

o 2018年あるいは2019年の連邦税務申告をする必要がなかったし、ソーシャルソーシャルセキュリティー年金をまだ受け取っていない場合は、IRSではこの税金クレジットを受取ることのみを目的にしたインターネットのポータルを設立し、銀行口座の情報を個人がオンラインで提供できるウェブサイトを立ち上げる予定である。

o 2019年あるいは2018年の連邦税税務申告における「調整後総所得」Adjusted Gross Income, AGI(2019年の申告書1040のLine 8b、2018年の申告書1040のLine 7、にある金額で、総所得から調整を差し引いた金額)が$75,000(独身者申告)、$112,500(独身世帯主申告)、あるいは$150,000(夫婦合算申告)、以下であれば、一人につき$1,200(夫婦合算申告は二人で$2,400)の税金クレジットを受取ることができる。

o AGIが$75,000(独身者申告)、$112,500(独身世帯主申告)、あるいは$150,000を超過している場合は、超過金額に対して5%の割合で減額されるので、AGIが$99,000(独身者申告)、$136,500(独身世帯主申告)、あるいは$198,000(夫婦合算申告)を超過すると税金クレジットは支給されない。

o 更に、申告書に扶養児童を記載していれば、その児童一人当たり$500の追加税金クレジットを受取ることができるが、この追加クレジットもAGIによる制限を受ける。

o 来年になって2020年の連邦税務申告をすることになるが、実際の2020年におけるAGIが上記の基準額($75,000、$112,500、あるいは$150,000)を超過していたとしても、既に受けた支給を返却する必要はないし、ペナルティー、利息も課されない。逆に、2018年あるいは2019年のAGIを基準にすると税金クレジットを受取ることが出来なかった (つまり高額所得であった) 場合でも、2020年のAGIが受給の基準に入っている(つまり定額所得であった)場合は、2020年の税額クレジットを取ることが出来る。

o 尚、今回の税金クレジットは、あく迄も2020年の前払いの税金クレジットであるため、2020年の所得として取り扱う必要はない。

o IRSでは、今回の税金クレジットに関する情報をそのウェブサイトirs.gov/coronavirusに逐次発表するとしている。

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