2011年の個人税務申告書1040から該当者には外国金融資産の報告書8938の添付が必要になった
投稿日時: 1月20日2012年
昨年11月に内国歳入庁IRSが最終版のForm 8938 “Statement of Specified Foreign Financial Assets”「フォーム8938-特定外国金融資産の報告」を発表したことにより、今年になって2011年の米国市民・米国居住者の個人税務申告書を提出する個人の中で該当者は個人申告書フォーム1040にフォーム8938の添付が義務づけられることになった。
もともと個人申告書1040とは別に、外国預金・証券口座の年間最高残高の合計が$1万を超過した場合は、FBAR(Foreign Bank Account Report外国銀行預金報告)と呼ばれる報告(Form TD F 90-22.1)が1970年以来義務づけられていたが、新たにFATCA(Foreign Account Tax Compliance Act外国勘定税務遵守法)に基づき、外国金融資産を報告するフォーム8938を個人申告書1040に添付することが義務づけられることとなった。
外国金融資産における年度末「市場価格」の合計が$5万(夫婦合算申告者は$10万)を超過する、あるいは年間における「市場価格」最高残高の合計が$7万5千(夫婦合算申告者は$15万)を超過する場合は、報告が必要となる。換算レートは、財務省発表の年度末日の換算レートを適用することが義務づけられている。2011年については、$1=78.00Yen となっている。報告を怠ると$1万もの罰金が課される過酷な報告義務となっている。
対象となる主な資産には、(1)従来のFBARの報告義務の対象となっている外国銀行預金口座、外国証券口座など、(2)法人、パートナーシップ、トラスト、エステートへの投資、(3)個人、法人、パートナーシップ、トラスト、エステートが発行あるいは相手先となる証券、金融商品、スワップ取引、ヘッジファンド、等々。外国不動産、日本の国民年金・厚生年金は一般に対象とはならないと思われるが、日本の企業年金は対象となると思われる。フォーム8938には各資産について更なる詳細も記入が要求されている。
このフォーム8938では、最後にそれまでに列記した外国に保有する金融資産が年間に生み出した利子所得、配当金所得、手数料所得l、売却益、などの金額を計上し、おまけにそれが申告書フォーム1040のどのライン番号、あるいは添付されているその他のスケジュールのどのライン番号に記載されているかまで明記させられる。
これは、当局が単に納税者の外国金融資産を把握するだけでなく、所得をマッチして把握し確実に徴税に結びつけようとする新たな試みと考えられる。
尚、Form 3520、 Form 3520-A、 Form 5471、 Form 8621、 Form 8865 にて既に外国金融資産を報告している場合はForm 8938で更に報告する必要ないが、それぞれ何枚Formを提出したかを記入する必要がある。
この報告義務の内容は極めて複雑で、上記では全体を説明しきれておらず、ご自分で確かめて頂きたい。FormはIRSのウェブサイト http://www.irs.gov/に入り、画面左側にあるForms & Publications下部にある+Moreをクリックし、●All Forms and Publications (PDF) を更にクリックし、そこで出てきた画面で、Findに8938をインプットするとForm 8938を呼び出すことが出来る。
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